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日常的に第三者から受けたネット誹謗中傷の慰謝料相場は?

2018年8月2日 公開 更新

監修:第二東京弁護士会所属(第54484号)
中崎 徹人

インターネット上で心ない書き込みをされ、深く傷付いた経験をお持ちの方も多いでしょう。
誹謗中傷によって名誉を毀損された場合は、慰謝料請求によって損害をいくらか補償させることができます。
今回は日常的に第三者から受けたネット誹謗中傷の慰謝料相場は?について詳しく解説していきます。

誹謗中傷によって権利を侵害した相手に慰謝料請求ができる

ネット空間での言論は、本来自由であるべきです。
しかし、その発言や表現によって何かしらの権利を侵害された場合、発言や表現をした人物に対し、慰謝料請求ができます。
まずは、具体的にどのような権利侵害が存在するのかについてご説明します。

誹謗中傷の権利侵害①【名誉毀損】

名誉毀損とは、虚偽の事実を書き込むなどの誹謗中傷によってその人の名誉をおとしめることです。
名誉毀損を認める判断ポイントは、「事実の摘示」ですが、まったくの事実無根の内容であっても、不特定多数の人が閲覧するネット空間にて掲載された場合は、名誉毀損罪として相手を訴えることができます。

名誉毀損罪の量刑は、刑法230条により3年以下の懲役もしくは禁固または50万円以下の罰金刑と規定されています。
また、ネットでの誹謗中傷は民事責任も追及可能で、名誉を毀損された本人は慰謝料請求が可能。
同時に、名誉回復を要求する権利(公の場で謝罪させる、発言を撤回して削除する、など)が認められることもあります。

誹謗中傷の権利侵害②【侮辱】

誹謗中傷行為によって問われる罪は、名誉毀損罪だけではありません。
侮辱罪(刑法231条)も存在します。
インターネット上で相手を激しく罵倒する行為は、侮辱罪に問われる可能性があり、罪が成立すると拘留または科料に処されます。

名誉毀損との違いは、事実の摘示の有無です。
名誉毀損では事実の摘示が焦点となりますが、侮辱罪は「バカ」「嘘つき」「醜い」など口汚くののしる行為によって問われる罪です。

誹謗中傷の権利侵害③【プライバシー侵害】

インターネット上で住所や電話番号、あるいは家族の情報などを掲載された場合、プライバシー侵害を主張できます。
この場合、刑事的な責任はなく、民事上の法的責任を問うことになります(民法709条)。

多くの場合、プライバシー侵害された方は相手に対し、慰謝料を請求します。
相手がそれに従わなければ、民事訴訟を起こし、法廷の場で決着を付けることで裁判所から支払い命令を出してもらう、という流れです。

住所や電話番号、口座番号などがネット上で公開されてしまうと、あっという間に拡散し、さまざまな詐欺行為を働かれる恐れも否定できません。
場合によっては、名誉毀損や侮辱より実害が多いケースもあります。

誹謗中傷は民事責任と刑事責任の2種類ある

刑事責任
誹謗中傷行為を働かれたとき、本人は相手に対し、民事責任と刑事責任の両方を追求できます。

民事責任

民事責任は、民法上で認められる権利を侵害された場合、問うものです。
民事事件は警察の領域外ですので、訴訟を起こす場合は自分で主体的に動くか、弁護士や認定司法書士などに依頼するしかありません。

ネット上の誹謗中傷によって起こす民事訴訟では、相手に「慰謝料」「差し止め」「名誉回復」を請求できます。
これらは、名誉を毀損されたり、侮辱を受けたりして受けた精神的苦痛への救済という意味合いです。

慰謝料請求は、財産的・精神的なダメージを金銭によって補てんするというもの。
差止請求は、書き込みの削除などがそれにあたります。
「名誉回復」の手段としては、新聞に謝罪広告を出すなどの方法があります。

刑事責任

先述のとおり、インターネット上での誹謗中傷は、名誉毀損罪もしくは侮辱罪に問われる可能性があり、いずれも刑事事件として取り扱われます。これは親告罪に相当し、被害者が刑事告訴して警察の捜査がスタートします。そのため、刑事訴訟を起こして相手に刑事罰を科したいと望む場合は、自ら証拠を確保し、警察署・検察庁に提出して告訴しなければなりません。

「名誉毀損罪」「侮辱罪」ではどちらもの責任も問える

前段でも触れましたが、インターネット上で誹謗中傷を受けた場合、名誉毀損罪(刑法230条)または侮辱罪(刑法231条)として相手の法的責任を追及できます。これらの罪は刑法ですが、同時に民事責任として慰謝料請求、差止請求、名誉回復請求が可能です。ただし、民事訴訟を起こす場合は、自ら証拠をそろえて訴訟の準備をする必要があります。

誹謗中傷をうけたときの慰謝料の相場はどれくらい?

ネット上で誹謗中傷を受けた場合、どれくらいの慰謝料請求が見込めるのでしょうか?ケース別の相場をみていきましょう。

誹謗中傷うけたときの慰謝料の相場①【名誉毀損】

名誉毀損といえば、芸能人、文化人、スポーツ選手などの有名人がその被害者になりやすいイメージがあるかと思います。
有名人の場合、事実の有無に関係なく悪評が出回ると大きなイメージ低下につながり、経済的損失は計り知れません。
そのため、ネームバリューと比例して慰謝料請求額も高めとなります。これまでの訴訟例を参考にすると、具体的な慰謝料金額の相場は数百万円レベル。過去には、600万円の判決が出た事例もあります。

これが一般人になると、慰謝料相場はおおむね10万円~50万円となっています。これがビジネス面での信用や風評被害なども加味されると、50万円~100万円程度になります。

しかし、これらの金額は判決で出された金額であり、請求金額ではありません。
通常、裁判所で出される額は、請求金額より低い額になるとお考えください。そのため、内容証明などで請求する場合、相場より高めの金額で請求するのがベターです。具体的な金額については、弁護士に相談するとよいでしょう。

誹謗中傷うけたときの慰謝料の相場②【侮辱罪】

侮辱行為でも相手に対し、慰謝料を請求できますが、名誉毀損と比べ、相場は低めです。刑法で規定された刑事罰の量刑を比較しても、名誉毀損罪は侮辱罪より重い刑罰が科せられます。そのため、民事訴訟で慰謝料の支払いを勝ち取ったとしても、低額となる可能性が高いのです。

過去の判例を参考にすると、その相場は10万円以下となるようです。

誹謗中傷うけたときの慰謝料の相場【プライバシー侵害】

プライバシー侵害での慰謝料金額も、名誉毀損と比べると少額となります。
過去の判例をみても、5万円程度しか認められないケースが多く、名誉毀損罪のように100万円などの金額が出る例はめったにありません。

しかし、これらは「一般人対一般人」という図式で成立するプライバシー侵害の例です。
これがたとえば、大手メディアのような大きな影響力を持つ媒体によってプライバシーを侵害された場合、風評被害や精神的ダメージも大きいことが予想されるため、慰謝料額は100万円を超えるケースも珍しくありません。

誹謗中傷によって広まった風評被害にたいしても請求できる?

風評被害とは、企業・個人が大きな事件・事故・トラブルなどに見舞われた後、その影響でマイナスイメージが大きく世間に広がる二次被害の現象をいいます。
ネット上の誹謗中傷によって生まれる風評被害もあり、それはよからぬ噂やデマ、事実無根の情報などがひとり歩きして拡散され、ケースによっては社会的評価を大きく落としてしまうこともあります。

個人でも、誹謗中傷にさらされ、風評被害によって経済的・精神的にダメージを受けることがあります。
その場合は、風評被害によって受けた被害の度合いに応じて損害賠償請求することになります。
また、経済的な損失が発生した場合は、それも別途請求することになるでしょう。

・企業が受ける風評被害の損害賠償請求額は、個人より規模が大きくなる
インターネットがこれだけ発達した時代では、企業がいつ・どんな状況で風評被害にさらされるか分かりません。
個人のブログサイトやホームページ、口コミサイト、通販サイトのレビューなど、さまざまなWebページ上で企業の評判を知ることができます。
これが事実無根の情報であれば、それによって受けるダメージは小さくないでしょう。

記憶に新しいところでは、まるか食品から販売されているカップ焼きそば【ペヤング】の異物混入事故でしょうか。
購入者はゴキブリが混入されていた証拠としてその写真を自身のSNSページにアップ。
その情報はネット上で一気に拡散されました。
当企業はそれを受けて食品を回収する事態に迫られたのです。

【参照】

「ぺヤング」虫混入を告発した大学生 擁護の声は多いものの一部で批判も

このケースは事実であったとされることですが、何か問題が起こるとその企業の風評はSNS上で一気に拡散されます。
仮に嘘の情報が出回り、その風評被害によって売上減少などに陥れば、企業は当然損害賠償請求できる権利を持ちます。
慰謝料の金額は、被害額に応じて決まるでしょう。

誹謗中傷による慰謝料請求の流れ

ネット上で誹謗中傷され、名誉を著しく傷付けられた場合、「発信者情報開示請求」によって投稿者の住所・氏名を特定できます。
しかし、同法を適用するには、明らかな権利侵害が認められる場合に限ります。
投稿内容が同法適用の要件を満たすかどうかをはっきりさせるためにも、まずは弁護士に相談しましょう。

1.弁護士に相談

発信者情報開示請求の手続きを進めたとしても、裁判所が「投稿内容は名誉毀損に該当しない」と判断すれば、すべては徒労に終わります。
投稿内容が名誉毀損に該当し、かつ情報開示請求が認められるかについて、弁護士の意見を聞くことが大切です。

名誉毀損の判断ポイントは、次の三つ。

「投稿内容をみて本人と特定できること」
「社会的評価を下げる内容であること」
「公共の利害に関する内容は真実でないこと」

この3要件を満たせば、名誉毀損を認めてもらえる可能性が高いといえます。

参照:ネット誹謗中傷によって名誉毀損で訴える方法と訴えられた時の対処法まとめ

2.投稿者のIPアドレスを特定する

状況を弁護士に説明し、名誉毀損を認めてもらう公算が高ければ、証拠集めを行います。
具体的にいうと、投稿者が使うパソコン・スマホなどのIPアドレスと、投稿日時が分かるタイムスタンプの特定です。
この作業を行うには、責任者であるサイト運営会社に対し、裁判所から「発信者情報開示仮処分命令申立」の決定を出してもらう手続きが必要となります。

たとえば、Twitterで名誉毀損に該当する書き込みをされた場合、その申立は管理会社であるTwitter社に対して行うことになります。

3.投稿者利用のプロバイダーを特定する

IPアドレスとタイムスタンプが開示されれば、次はその情報をもとにプロバイダーの特定作業にうつります。
今は投稿者IPアドレスとタイムスタンプ情報を入力するだけで簡単にプロバイを特定できるサイトがあるので、それを利用するとよいでしょう。

ここで注意したいのが、IPアドレスとタイムスタンプ記録の開示期限。
これらの情報は、投稿から3カ月~6カ月程度で消えてしまうため、記録を保存するための手続きが必須。
これには、必要記録の消去を禁止する裁判所命令(発信者情報消去禁止仮処分命令申立)を出してもらうのが有効です。

プロバイダーを割り出したら、次はそのプロバイダーに対してプロバイダー契約者の氏名および住所の開示を請求させるための「発信者情報開示請求訴訟」を起こします。
この訴訟手続きには通常6カ月くらいかかるといわれますが、一切の手続きは弁護士が代理してくれるうえ、法廷に出廷する必要もありません。

この裁判で投稿者を特定することで、相手と慰謝料についての話し合いが可能となります。

4.慰謝料請求

投稿者に対し慰謝料を請求する方法は、直接交渉する方法と裁判所を介して行う方法のふたつです。
一般的には、弁護士に交渉を依頼するケースが多く、そのほうが相手も慰謝料請求に応じやすいメリットがあります。
交渉をしても和解にいたらない場合は、裁判所に損害賠償請求の申立を行い、法廷の場で決着を付けることになります。

慰謝料請求の交渉を第三者に依頼する場合、それを担当できるのは弁護士だけです。
(※内容によっては認定司法書士も可)
権限のない方に頼むと非弁行為に該当するため、交渉代理先を選ぶ際はこの点に注意してください。

【関連記事】ネットの削除業者が誹謗中傷を削除するのは非弁行為!?

誹謗中傷の慰謝料請求費用はいくらかかる?

誹謗中傷による慰謝料請求の費用は、裁判をするかしないかで異なります。
裁判をせず示談で済む場合、弁護士費用は着手金約10万円に加え、報奨金として慰謝料の16%が相場です。

裁判に発展すると、着手金約20万円、報酬金は慰謝料の16%、これに裁判費用の実費として3万円程度かかります。

また、慰謝料を請求するには、まず犯人を特定しなければなりません。
その特定作業や削除請求のための手続きを弁護士に依頼すれば、これらの費用も発生します。
これも裁判をするかしないかで総額に違いが生まれるため、事前にどれくらいの費用がかかるか見積もりを出してもらうことをおすすめします。

【まとめ】

ネット上の不名誉な書き込みは、名誉毀損罪に相当する場合もあれば、侮辱罪にあたるケースもあります。
いずれも刑事・民事双方から責任追及が可能ですが、慰謝料などの相場は異なります。
慰謝料請求をするにしても、裁判所への情報開示請求手続きからはじまって、プロバイダーを特定し、その情報から犯人を突き止めることで、はじめて慰謝料請求が可能。請求手続きに関する費用も含め、これらの情報をまずは押さえるようにしてください。

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