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ホスラブでの誹謗中傷を受けたときの削除方法と犯人特定方法

2018年11月10日 公開 更新

監修:第二東京弁護士会所属(第54484号)
中崎 徹人

インターネット上にはたくさんの種類の掲示板があり、掲示板ではテーマごとに利用者が匿名で投稿を書き込んだり読んだりして情報交換を行っています。
それぞれの掲示板に特徴があるのですが、それらがかかえる共通の問題の一つが掲示板上での誹謗中傷です。
今回は「ホスラブでの誹謗中傷を受けたときの削除方法と犯人特定方」について詳しく解説していきます。

関連記事:ホスラブで誹謗中傷を受けたらどうしたらいいの?削除依頼や犯人の特定方法

ホスラブとはどのような掲示板か

ホスラブとは夜の仕事に関する情報掲示板で、2001年にオープンしました。
ホストに関する情報に特化したものでしたが、次第に水商売全般を対象に多くの人々に利用される大きなコミュニティーサイトに成長し、月間200万人が利用しているとも言われます。
ホストやホステスはもちろん、彼らが働く店舗のスレッドも多く立てられており、関東版、関西版、東北版、東海版、北陸/信越版、中国地方版、四国版、九州版、沖縄版といった地域ごとに掲示板が分類されており、全国からの利用が可能です。
利用者が多く活発な情報交換が行われているのは便利ですが、逆に誹謗中傷が書き込まれた場合、被害が拡大してしまう危険性も高いといえます。

ホスラブ上に書き込まれる誹謗中傷の特徴

水商売の情報に特化した掲示板のため、必然的にホストやホステスに関する誹謗中傷や名誉棄損が起こりやすいです。
店舗ごとにスレッドが立てられるため、その店舗に対するライバル業者からの悪口や嫌がらせが書き込まれることもあります。
また、ホストやホステスに対するストーカー行為の一部として個人的な写真や個人情報が掲載されてしまうケースも少なくありません。
ホストやホステスの多くが源氏名で仕事をしているので、源氏名を使っての誹謗中傷も多く、果たしてそれが名誉棄損の対象になるのかの判断がむつかしいケースもあります。
また、特定の人にだけわかるような内容や書き方で名誉棄損やプライバシーの侵害が行われることもあり、判断を専門の弁護士などに仰ぐ必要性も出てきます。

誹謗中傷や名祖棄損による影響

ホストやホステス、店舗に関する誹謗中傷は深刻な影響を及ぼします。
ホストやホステス個人攻撃するような誹謗中傷は、被害者に大きな精神的ストレスを与えるだけでなく、それによりお客さんが来なくなってしまったりストーカーなどの身の危険にさらすことにもなりかねません。
ネットは匿名性が高いので、掲示板に書き込まれる内容には根拠が明確でない、事実無根にもかかわらず、個人や店舗が攻撃されてしまいます。

このような攻撃によりホストやホステスが身の危険を感じてしまうケースや、仕事に支障をきたしてしまうケース、店舗であれば悪い噂によって売り上げが下がってしまうなどの影響が出他場合、早急に対応する必要があります。

ホスラブで誹謗中傷を受けた時の削除方法

ホスラブで誹謗中傷を受けた際、どのように対応すればいいのかをよく知っておくとよいです。
適切に対応することで被害を抑えたり、自分自身を守ったりすることにつながります。

ホスラブは利用者も多く、夜の仕事に携わる人たちが中心で、モラルが高いとは言い切れません。
そのため被害が拡大するスピードも早く、被害を抑えるためにはより迅速な対応が必要です。
ホスラブにて削除依頼をするにはいくつかの方法があります。

書き込みを削除してもらう際の依頼の手順

ホスラブでは、誹謗中傷と思われる投稿に対して、ホスラブの管理者に削除依頼をすることができます。
この場合、メールで管理者に依頼をするのですが、管理者に理由が明確に伝わることが肝心です。
メール内では誹謗中傷を思われる投稿をしっかり特定して示すこと、その投稿によりどのような被害が生じているのかを説明します。
削除依頼についてはガイドラインがあるのでそちらも参考にしてみるといいでしょう。

削除フォームの記入内容と注意点

削除フォームには、対象URLの14行の数字、対象となるレスの番号、削除の理由を記載します。
削除してほしい投稿を特定するための情報ですから、間違いがないように番号はしっかりと確認することが大切です。
削除の理由についてはガイドラインに選択肢があるので、それを参考にできます。
削除してほしい投稿が複数の場合は、それぞれの投稿に対しての削除理由を記載するようにし、すべての情報を記載したら、依頼ボタンで内容を送信しましょう。

削除フォームへの記入にも注意点があります

ホスラブでは店舗の住所や電話番号、メールアドレスなどのすでにホームページに記載されているような情報については削除に応じてくれません。
削除できるのは個人が特定できる情報、プライバシーの侵害に当たる情報が対象になります。
加えて削除対象となるのはレス単位での投稿です。
大きなまとまりのスレッド単位での削除には基本応じてくれにくいといえます。

さらに削除依頼は公開されることを頭に入れておきます。
削除依頼は500文字までしか入力できず、削除依頼は申請文として公開されるのであまりにプライベートな内容や個人情報を書き込みすぎると二次被害へと拡大してしまう危険もあります。
あくまで削除依頼の内容は簡潔にわかりやすく、感情的にならずに吟味して書き込むといいでしょう。

無事に削除依頼が管理会社へ届くと、96時間、4日をめどに削除が行われます。
ただし、短時間に何度も削除依頼をしていると逆効果になることもあるので、削除までのタイムラグを考慮して依頼が受け入れられたのかを判断しましょう。
96時間後も削除されない場合は他の削除の方法を検討します。

裁判所の仮処分による削除方法

削除依頼は必ず本人が行うようにします。
また投稿の削除を業者に頼むこともやめましょう。
トラブルに発展する可能性があります。
メールでの削除依頼に応じてもらえなかった場合、他の方法として弁護士に投稿の削除請求の仮処分を裁判所に申し立てる必要もでてきます。
ネット上に違法な記事を掲載し続けることは不法行為に当たり、プロバイダ責任制限法においても送信防止処置を請求することができます。

裁判所に投稿の削除について仮処分を申し立てると、提出された書類や資料がチェックされ、ホスラブ側と被害者側それぞれに裁判官による面談での質問手続きが行われます。
調査によって対象となる記事によって権利が侵害されていると判断されれば、裁判所は仮処分によって記事の削除命令がホスラブに下され、削除となります。

メールによる削除依頼より、裁判所による削除命令によるもののほうがホスラブに投稿の削除を行ってもらえる可能性が上がります。
ただし仮処分手続きであれば削除されるまで申し立てから約一か月かかり、被害の状況で変わりますが、申し立てをするための準備に約一週間程度必要になります。

ホスラブに対して強い力を持つ弁護士による削除方法

ホスラブに対して強い力を持つ弁護士の場合、通常よりも短期間で削除に対応してもらえるケースがあります。
迅速な削除を求めいる場合は弁護士に相談してみるといいでしょう。

ホスラブは夜の仕事に関する情報が書きかまれる場合が多いので、誹謗中傷も本名ではなく源氏名や伏字を使って書き込まれることも多いです。
裁判実務上、源氏名や伏字で誹謗中傷が書き込まれていたとしても、それによって本人が特定されてしまう場合、名誉棄損は成立します。
ホームページ上に源氏名が載っていたり、職場内で明らかに本人が特定できてしまうでしょう。
特定は、HPの紹介欄や名刺、給与明細や陳述書などを使って証明することが可能です。

源氏名や伏字で誹謗中傷が行われてるから申し立てができない、というわけでないので、一度弁護士に相談してみるのが一番です。

ホスラブで誹謗中傷を受けた時の犯人特定方法

ホスラブで誹謗中傷を受けてしまった際に、その犯人を特定する方法についても知っておきましょう。
インターネット上では、法律により、誹謗中傷を書き込んだ投稿者に対して損害賠償請求を行うことができるからです。
プライバシー侵害についても民法において不法行為になるので、損害賠償請求として慰謝料を請求することができます。

発信者情報開示までの流れと注意点

ホスラブの管理者に対して投稿をした犯人の特定のために情報開示を請求する場合、東京地方裁判所で仮処分の手続きを取っていく必要があります。
裁判所で情報を開示する必要性が認められれば、ホスラブに対して情報開示の命令が出されます。
ホスラブは裁判所からの命令には従いますので、情報開示が行われ、それをもとに犯人を特定していきます。
しかし、ホスラブから開示された情報だけではすぐに犯人を特定することはできません。
開示されるのはIPアドレスという発信者のプロバイダに関する情報です。
IPアドレスからさらに発信者を特定するには、プロバイダ(携帯会社党)に発信者情報開示請求を行います。
プロバイダに対する発信者情報開示請求については、仮処分ではなく本訴訟になるので、仮処分の時よりも必要となる期間も長くなりますし、証明の程度もより高いものが求められてきます。

本訴訟を起こし、プロバイダに発信者情報開示請求を行い、必要性が認められれば情報開示の命令が下されます。
発信者の情報が開示されれば、発信者の指名、住所、メールアドレスなどの個人情報が特定され、名誉棄損による損害賠償請求、慰謝料の請求をすることができます。

ホスラブへの投稿はスマートフォンから行われることが多いです。
ただし、携帯電話会社が発信記録を保管しているのはおよそ3か月なのでできる限り早く対処に踏み切らなければ特定が難しくなってしまいます。
そのため、書き込みをした人物を特定するならば、誹謗中傷が書き込まれてから一か月以内に弁護士に依頼をして削除に向けて対応していく必要があります。
期間が経ってしまっていても特定ができるケースもあるので、弁護士に相談してみるのもいいでしょう。

ホスラブに関する弁護士を雇う際の費用と注意点

ホスラブに強い弁護士に依頼をすれば削除される可能性も、削除までの期間を短くできる可能性が高くなります。
弁護士に依頼をすると、弁護士費用が発生しますが、弁護士費用については自由化されているため事務所や弁護士によって金額は変わるでしょう。

書き込みの削除を希望する場合、裁判所に仮処分を申し立てます。
この場合、およそ20万円程度になるケースが多いです。
ホスラブに強い弁護士の場合、1つのレスで数万円、削除してほしいレスが多い場合は数に応じて費用を割り引いてくれる弁護士もいます。
料金については依頼内容との関係もあるので相談してみるといいでしょう。
スレッド単位での削除は10万円以上の費用が掛かってきますが、店舗のスレッド単位での削除は対応が難しいケースが多いです。

一方で、投稿をした犯人を特定するための情報開示請求を希望する場合は、およそ30~40万円程度の費用が掛かります。
さらにこの金額に報酬金額が加算されることもあります。
ホスラブに強い弁護士の場合は予想される費用よりも安く金額を設定しているケースもあるので相談してみましょう。

これらの手続きにかかる期間は、書き込みの削除依頼の場合は約2~4週間、投稿の犯人特定の依頼の場合は約4~8か月がかかります。
弁護士を雇う場合は、費用と期間を頭に入れて話を進めていくといいでしょう。

ホスラブは夜のお仕事に関する情報交換ができる便利なサイトですが、一方で特定の人物や店舗に対する誹謗中傷などの問題も抱えています。
もしも誹謗中傷の書き込みによって影響を受けてしまった場合、早めに対処するようにしましょう。
多くの利用者がいるホスラブでは、誹謗中傷も拡大してしまう可能性が高いからです。

ホスラブ上での誹謗中傷に対しては、ホスラブの管理会社に直接削除依頼のメールを送って対応してもらう方法と、弁護士に依頼して投稿の削除や、投稿を行った人物の特定を行い損害賠償を請求する方法とがあります。
メールで削除依頼をする方法は簡単ですが依頼に対応してもらえる可能性は低く、弁護士に依頼する方法は対応してもらえる可能性は高くなりますが、費用や時間がかかります。
自分の希望に応じた方法を選択するようにしましょう。

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