ネットで誹謗中傷を受けたときに真っ先に相談するのが弁護士。
こちらでは、誹謗中傷案件にかかわる弁護士費用の一覧や、一般的な相談内容、Webサイトでの誹謗中傷のような問題を弁護士に相談するメリットについてお話します。
ネット誹謗中傷に強いIT弁護士の相談費用の相場はどれくらいという疑問を解決しましょう。
ネット誹謗中傷を弁護士に相談したときにかかる費用一覧
多くの弁護士は、ネットの誹謗中傷に関する相談にも対応しています。
以下では、ネットの誹謗中傷被害を弁護士に相談した際の費用内訳について、項目別にご紹介します。
ネット誹謗中傷の弁護士への相談料
ネットでの誹謗中傷に限らず、案件の相談時に発生するのが相談料です。
「弁護士への相談」となると敷居が高く、法外な料金を請求されるイメージがあるかもしれません。
しかし、一般的な弁護士事務所は、一時間あたり5,000~10,000円程度の相談料を設定しています。
また、相談料を無料に設定している弁護士事務所も少なくありません。
「本格的な損害賠償請求・裁判についてはまだわからないが、ひとまず相談してみたい」という場合は、相談料が無料の弁護士事務所を利用するのがおすすめです。
弁護士の着手金
着手金は、案件を正式に依頼した際に派生する料金です。
最終的な案件の結果にかかわらず、依頼人は弁護士事務所が設定している着手金を支払わなければなりません。
また、弁護士事務所によっては、依頼時・訴訟時など複数回の着手金を設定している倍があります。
ネットの誹謗中傷相談における着手金とは、「2ちゃんねる」「5ちゃんねる」「爆サイ」「ホスラブ」といったネット上の掲示板、投稿プラットフォームに対して弁護士が削除手続きに着手するときに発生する料金を意味します。
相談する案件によって相場が異なる着手金ですが、ネットの誹謗中傷に対する各弁護士事務所の着手金設定もまちまちといったところです。
誹謗中傷の成功報酬とは
成功報酬は、依頼人の依頼が達成された場合に発生する料金です。
ネット誹謗中傷では、実際に削除された場合に成功報酬を支払います。
ネット誹謗中傷案件での成功報酬の相場は5~30万円と大きく幅があります。
これは、削除を依頼する内容や対象のサイトによって難易度が異なるためです。
優良な弁護士事務所は、案件の内容を伝えた段階で成功報酬の見積もりを出してくれます。
弁護士が裁判するときの裁判所費用
裁判をする際は、実費として印紙代と予納郵便切手代が発生します。
どちらも少額ではありますが、これらの費用を別途請求せず成功報酬などに含めて対応している弁護士事務所がおすすめです。
弁護士の給与に相当する日当って?
日当は実際に弁護士が活動した日数・時間数に応じて発生する手当です。
示談交渉や遠方での調査など弁護士の事務所外作業が多くなる場合は、日当が膨れ上がってしまう可能性もあります。
日当を別途請求してくる弁護士事務所は、基本的にあまりおすすめできません。
ネット誹謗中傷で弁護士に相談できる内容は?
一口に「ネット誹謗中傷案件」といっても、我々弁護士が対応する内容は多岐にわたります。
ネットの誹謗中傷案件に関して、弁護士が対応している相談内容をまとめてご紹介しましょう。
誹謗中傷に関する書き込みの削除
ネットの誹謗中傷案件で最もスタンダードな相談内容が、書き込みそのものの削除相談です。
ネット上に残された誹謗中傷案件は、依頼主に対して中長期的な不利益を与えます。
投稿された掲示板の規模やネット上での拡散によっては、甚大には被害が起こるかもしれません。
「爆サイ」「2ちゃんねる」「5ちゃんねる」「ホスラブ」など、不特定多数のユーザーが閲覧する掲示板に投稿された誹謗中傷には、速やかに対処するのが賢明です。
掲示板やSNSへの投稿者の身元の特定
誹謗中傷を投稿した投稿者に明らかな悪意がある場合、一度投稿を削除したとしても再度同様の内容が投稿されるかもしれません。
また、投稿者を明らかにしてしかるべき警告や責任の追及を行いたいと思うのも、被害者として当然の心情です。
必要であれば、ネット掲示板に誹謗中傷を投稿した投稿者の身元を特定することもできます。
インターネットの特性上、多くの投稿には投稿者を特定できるに足る痕跡が残されています。
IPアドレス、メールアドレス、書き込まれた時間などがヒントとなります。
ただし、特定するためにはプロバイダ、サイト管理者との交渉が必要です。
弁護士事務所に投稿者の身元特定を依頼すると、プロバイダ、サイト管理者との交渉を弁護士が代行します。
過去には実際に、スポーツ選手など有名人がプロバイダに情報開示を依頼し、投稿者を特定した例があります。
誹謗中傷した投稿者へ慰謝料・損害賠償請求
誹謗中傷の投稿者を特定すれば、投稿によって受けた損害に対し慰謝料・損害賠償を請求することもできます。
通常は損害を受けた当人が直接投稿者と交渉をしますが、弁護士に限りそのやり取りを代行できます。
投稿者のとの交渉が難航している場合は、手続きを踏むことで裁判所から損害賠償請求を送らせることが可能です。この場合も、依頼すれば書類作成や申し込みを、弁護士に任せることができます。
慰謝料・損害賠償を請求できるのは、投稿された誹謗中傷による権利侵害が認められた場合です。
これには、「名誉毀損」「侮辱」「プライバシー侵害」、ならびにこれらを発端とする風評被害などが該当します。
関連記事:ネット誹謗中傷によって名誉毀損で訴える方法と訴えられた時の対処法まとめ
名誉毀損には、不倫歴や逮捕歴など知られることで不利益を被るような情報を言いふらされたケースが該当します。
名誉毀損と見なされる条件は「事実確認できること」です。
反対に言えば、事実確認できさえすれば、事実かどうかは問われません。
侮辱に該当するのは、真偽を確かめることができない誹謗中傷を投稿されたケースです。
例えば、性格や主張など投稿者の主観によっていくらでも湾曲できる情報は侮辱に該当します。
私的な情報を無断で公表するプライバシーの侵害も、慰謝料・損害賠償請求の対象となり得ます。
また、プライバシー侵害と見なされる条件のひとつは「真実である、または真実らしい情報の無断公表」です。
判断が難しい面もありますが、まったくのでたらめを公表されたとしてもプライバシー侵害には該当しません。
弁護士が刑事告訴する上でのサポート
誹謗中傷の度合いによっては、投稿者を刑事罰で罰したいと思う心情もごく自然なことです。
実際に、投稿者に刑事罰の適応を望む被害者も数多くいます。
対象者を刑事罰で罰するために必要な手続きが「刑事告訴」です。
手続きの際には、誹謗中傷の証拠とともに法的な正当性をうったえる告訴状が必要ですが、専門的な知識がなければ警察を動かすだけの法的正当性を主張することが困難です。
通常は、弁護士に告訴状の作成や警察のとのやり取りのサポートを依頼します。
弁護士に依頼する必要性は?
ここまでは、ネットに誹謗中傷案件を弁護士に相談する際に費用、相談内容についてお伝えしました。
誹謗中傷投稿者の特定、また責任追及は個人でも可能ではあります。
以下では、誹謗中傷案件について弁護士に依頼する必要性について深堀りしてみましょう。
弁護士に依頼するデメリットについて
弁護士に誹謗中傷案件の処理を依頼する場合、当然ながら費用が発生します。
上述したとおり相談料や着手金が無料のケースはありますが、期待している方向で案件を収束させるためにはある程度の費用負担は免れません。
投稿者に責任を問う確実性が上がる一方で、金銭面だけを見ると損になってしまうことがあります。
さらに、ネットの誹謗中傷は比較的に新しいタイプの案件のため、弁護士によっては知識や経験が伴っていません。
投稿者や裁判所とのやり取りを有利に進めるためには、単なる誹謗中傷案件に関する知識や経験だけではなくネットならではの特性を理解している必要があります。
IT専門の弁護士を見つけられれば比較的安心ですが、適切な弁護士を見つけるための手間や時間もデメリットのひとつかもしれません。
ネット誹謗中傷の解決を弁護士に依頼するメリット
上述したデメリットの一方で、削除請求の代行をしてくれるのはITに精通している弁護士ならではのメリットです。
刑事罰を科す場合に窓口となる警察も、削除請求は行ってくれません。
対策を講じなければネットの情報はいつまでも残り続けるため、弁護士費用を払ってでも削除依頼する価値はあると言えます。
また、慰謝料請求や損害賠償請求を代行しくれるのも弁護士ならではです。
うったえの正当性が認められれば、誹謗中傷の投稿が削除されるだけではなく賠償によって被害をカバーできます。
弁護士費用より慰謝料・損害賠償が期待できる弁護士に依頼するべき
誹謗中傷案件を弁護士に依頼する際に免れない「費用」というデメリットは、案件が解決した際に期待できる慰謝料・損害賠償によって補填できます。
弁護士費用のコストを軽減できれば、失うお金よりも入ってくるお金のほうが大きいかもしれません。
多くの弁護士事務所は、相談や見積もりといったサービスを無料・安価で提供しています。
もちろん、誹謗中傷による被害を考えると最終的にお金がプラスになればよいわけではありませんが、慰謝料・損害賠償請求によってコストが相殺されることの意味は大きいはずです。
なによりも、誹謗中傷投稿を放置しておくことは、リスクにほかなりません。
プロの弁護士だからこそ、確実な問題の解決と費用を相殺する慰謝料・損害賠償が期待できます。
関連記事:ネット誹謗中傷はどこに相談する?弁護士・警察・法務局・業者の違いを徹底解説!
まとめ
インターネットの誹謗中傷は被害がとめどなく拡散してしまう可能性があるほか、解決が難しいとてもデリケートな問題です。
専門的な知識を有している弁護士に相談することが、解決の一番の近道になるでしょう。